相模原グリーンロータリークラブ
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相模原グリーンロータリークラブ
第711回例会週報

2007-08週報目次
◆「ガバナー公式訪問」
小佐野 圭三 ガバナー 


 こんにちは。来たい、来たいと思っていたグリーンクラブにお邪魔いたしました。若い方が沢山いらっしゃる、地区のロータリーの平均年齢をはるかにここは下げているクラブでございます。しかし、今年度の活動計画書を見せていただくと会長さんが言っていらっしゃいます、「少し年齢が上がってきた、是非若い会員を入会させたい」と。大変すばらしいことです。
 そして、今日新しい会員。オリベーラ・ケッッイさんが入会されました。先ほどバッチをつけさせていただきました、これから頑張ってロータリー活動に邁進していただきたいと思います。
 そして、今日はもう一人、今年度すでに入会されております眞田さんの紹介者に紹介バッチを付けさせていただきました。まだまだ新しい会員が沢山入って下さるものと確信しています。

 先ほど、会長、幹事、エレクトさん、ガバナー補佐とご一緒に副会長さんを含めて懇談させていただいき、このクラブが一年間で従来どおりの50名上のクラブになるというお約束をいただきましたので、大きな声で会員の皆様にお知らせいたします。
 新入会員の入会については、会長さんあるいは幹事さんだけが、新しい会員に入っていただくということではなく、会員の皆様が一人ずつが、クラブの素晴らしさを理解していただき入会していただく、これが一番のロータリーの基本でございます。
 新しい会員が入られると考え方がまた違います、そこには素晴らしい考え方をもっていられる方が沢山いらっしゃいます。皆様会員にとってもいろんな考えを持った方がいらっしゃるということは素晴らしいことです。是非、新しい会員の入会をよろしくお願いいたします。

 先ほど素晴しい、鈴木先生の死刑廃止論をテーマにした3分間スピーチがございました。一番前で聞かせていただきまして、130カ国も死刑廃止の国があるんだなと思いました。
 私は昨年の暮れにシンガポールに参りました。すでにご存知でいらっしゃるかもしれませんが、鞭打ちの刑がまだあります。何故こんな刑があるのかと私は聞きました。これは、これは女性に対するいわゆる強姦とかの罪に対しての見せしめにするのだそうです。鞭で打たれた傷跡は一生消えないそうです。
 シンガポールでは性犯罪を犯したものには一生それがついてまわる、ということなんですね。
 ところが、今から2年前のことですが、鞭打ちの回数を刑の執行官に伝える連絡官が、鞭打ちの回数を間違えてしまったのです。数ははっきりしませんが、たとえば5回のところを7回と伝えて執行官が7回打ってしまった、この2回をどうやって償うか、これは先ほどの死刑の問題と同じだと思います。このようなことが今大変問題になっていると聞きました。ロータリーとはあまり関係のない話をしましたが、今日は職業奉仕ということで話させていただきました。

 このクラブには私が今までお世話になった方が沢山いらっしゃいます。感謝申し上げております。今日、こちらにお邪魔して、先々週の週報を読ませていただきました。そして、今井ガバナー補佐にこんなにまでクラブ協議会をやっていただいたのかと感服いたしました。すべてのことに亘って細かくしていただいておりました。私が、今井さんがいらっしゃる前でロータリーのことに関してわざわざもう一度しないほうがいいのではないかと、会報を見ながらそう思った次第です。

 ところで、安倍総理が辞任をされましたね。アメリカの場合、大統領が変わりますと、そのスタッフは全部入れ替わります。日本ではどうかといいますと、今、安倍首相が辞任をしてこれから選挙になりますけれど、ほとんど官僚は変わりません。この辺が欧米の文化と日本の文化の違いではないかと、ここ一両日考えたことでございます。
 例えば日本で変革がある、それを歴史的に考えて見てください。大化の改新ですとか、明治維新、あるいは戦後の改革ですとか、こういったものは全部外圧から来ています。国内から改革が進んだというのは稀でございます。ほとんど外からの力、外圧によって日本の変革はなされたということでございます。
 それでは、なぜアメリカの大統領が変わるとすべてのスタッフが変わるのかというと、これは、やはり民族性の違いではないかと思います。例えば、リーダーの違いですね、リーダーが代わるときにスタッフも変わる。

 アメリカの会社エクソンモービルという、今オイルマネーで一番儲かっている大変大きな会社、この会社の日本でいう所謂会長の年俸はどのくらいだとお思いになりますか?データーによると60億だそうです。それではこの報酬は、一般のエックソンモービルの社員の平均年俸のどの位の倍率だとお思いですか? 430倍だそうです。
 日本の場合は入りたての官僚とトップの次官クラスの年俸とどのくらいの差があるか言いますと、大体8倍から10倍です。アメリカは一人が430倍も取って、日本はたった8倍から10倍です。アメリカはよくクーデターといいますか騒乱にならないかという疑問にぶつかりますよね。それはどういうことかといいますと、民族性の違いに起因するのではないかと分析した人がいます。
 その一番いい例がリーダーの資質に対する考え方の違いです。欧米のリーダーの場合は、まず、心理学、行動学、集団学、そして組織の管理学、このようなことを学生時代から、あるいは会社に入ってから最初に勉強します。これは、リーダーは組織をいかに自分が動かすかを学ぶということに起因するのです。
 では、日本の官僚のトップあるいは会社のトップになるような人が何から勉強するのかというと、まず、人格論から入る。ここから勉強します。それはどういうことかといいますと、リーダーになる人は高い人格、品性、あるいは聡明な資質、頭脳、包容力が求められ、このような人格者方が日本のリーダー像になっています。
 また、欧米ではリーダーは組織そのものなのです。一方、日本のリーダーは自分も組織の一員なのです。欧米の場合は自分が組織全体を掌握しているという感じです。

 ヨーロッパにおいては、牧畜とか放牧とかの長い歴史の中で家畜を飼いならすような意味で、彼らリーダーは人間を飼いならしているのですね。逆に、日本は2千年3千年とかの歴史の中で農耕民族として生きてきました。
 日本の場合は農耕ですから、稲作が原点になりますね。リーダーは気候などのデーターをよく把握して、いつ種を蒔き、いつ水を張り、そして、いつ台風が来ないうちに刈り取るということを判断します。こういうのが日本のリーダーなんですね。みんな一緒に頑張ろうよ、一人では何も出来ない、というのが日本の風土でございます。

 ローソンの新しい社長になられた新浪さんという方がいらっしゃいますが、慶応大学を卒業され三菱商事に入社し、三菱商事からアメリカのハーバード大学に派遣されて入学して勉強をされました。帰ってきてから、食品の会社を任されました。当然アメリカで勉強をしてきましたから、欧米型のリーダーの勉強をしてきました。
 彼は3年間で、今までの会社が出した利益の10倍の利益を上げました。大変な実績を上げたわけです。新浪さんは、すべてのことを自分で意思決定してやってきました。まず、戦略を考え、決定し、細かいところまで全部自分で決めて指示を出す、完全な欧米型のリーダー、いわゆるナポレオン的な上から出したひとつの命令で、上から下まで一番下まですべて動かすというような命令系統でございました。
 しかし、3年経った時に、連れて行った部下から「あなたの言っていることは分からない」と言われたのです。そこで彼はもう一度日本型の経営の勉強をしたそうです。そして、戦略は自分で考える、しかし、細かいところは部下を交え、社員と一緒に議論に議論を尽くして考え、その上で会社を引っ張ってゆく、という戦略に替えて今、ローソンは大成功しているということでございます。
 これは欧米型のリーダーシップ、そして日本の農耕民族から発生した戦略、「一緒にやろうよ」というものが融合した経営戦略ではないかと思います。

 あまりロータリーのことには触れませんでしたけれどひとつ会員の増強だけはお願いして今日の卓話に代えさせていただきます。