相模原グリーンロータリークラブ
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第530回例会週報

529回 | 531回 | 2003-04週報目次
◆本を出版する事、次回作の企画の事
井上栄次 会員

 又残念ながら私の卓話の機会が回ってきました。つまらない話しかできないので、その点はご容赦下さい。
 今回は私が幸運にも本を出すことができたきっかけをお話しさせていただきます。

1.まず一番最初に重要だったのは、運が良かったことです。偶然にも友達に物書きがいたこと、日向という友達がいなければ本を出すことができなかったと思います。

2.次に重要なのは、出版に値する企画を持っていたこと、これは誰でも持っていそうで実はあまり持っていません。というのは、現在の常識を肯定的に考える人は、あまり企画向きでは無いのです。一般常識に対して絶えず疑問の目を向ける人、斜に構えた人、そのような人が企画には向いているようです。

3.三番目に、絶えず情報を発信していること。せっかく持っている企画も出版社の編集長等の目に止まらなければ出版の機会はありません。これは出版人に対する情報発信に限りません。日々情報発信を続けることが重要だと思います。情報発信を続けていると、いつの間にか機会が訪れるものです。

 次に私が出した本の企画内容について話したいと思います。1冊目の本は「資本金1万円で会社をつくる法」という本で、現在15刷まで刷を重ねています。この本は、内容を私が企画して日向君に執筆を依頼し打ち合わせをしながら書いた本で、オーエス出版から平成9年の4月に出版されました。オーエス出版の編集長に企画を上げた時点では、「資本金1万円で会社を作る法」という題名と以下の大見出し5行だけでした。

1.なぜ、誰もきがつかなかったのか、合資会社の 凄いメリット
2.合資会社の基礎知識
3.ドキュメント、資本金一万円カンパニーができ るまで(作者と共に実際の会社を作成そのドキュ メントを紹介する)
4.費用7万円、三日で合資会社がつくれる完全マニュ アル
5.どうせやるならこんな会社にしたい(合資型ベ ンチャー企業の紹介及び運営方法を説明)

 以上の企画書を編集長に見せて1週間後にはGOサインが出ていました。日向君の執筆能力と企画内容が気に入ったようです。私はこんなに簡単にGOサインが出るのかと拍子抜けしたぐらいです。
 ちなみにこの本の内用については触れませんが、この本の執筆当時合資会社は全国で1万社を若干上回る程度でしたし、戦後一貫して減少し続けていました。今合資会社は、5万社を超えているそうです。この5年ほどで4万社近く増えた事になります。
 株式会社も、有限会社も減少傾向にあるこの時節に合資会社は増え続けています。この合資会社が増えている状況を見て勘違いしたのが小泉総理大臣のようです。今認可法人といって、資本金1円で株式会社も有限会社も設立できるようになりました。1年半ほど経ちますが4千社ほどになっているそうです。来年からは株式会社、有限会社の資本制限が緩和されて山本先生に聞かないと解りませんが、100万円ほどの資本金で会社が設立できるようになるそうです。このきっかけになったのが実は私の本だったと思っています。
 ただ私は人的能力に依存するベンチャー形態が増えてきたので、人的会社向きであると提唱したのに、物的会社で応用するのは実は筋違いで社会の混乱を招くだけだと思っています。

 2冊目の本は、二期出版(現産学社)から出した、「資本金1万円で独立企業の夢を実現する法」という本で、現在8刷まで刷を重ねています。この本は二匹目のドジョウをねらって一冊目の本が合資会社の設立に重点を置いていたので、合資会社向きベンチャー企業の運営方法に重点を置こうと言うことで企画した本です。人的会社の運営に必要な三つの重要な要素(ぬかみそ、リンク、ポジショニング)について説明し、どう運営していくことが成功への道かについて書いてあります。

 3冊目の本は、オーエス出版から、三匹目のドジョウをねらって出した「資本金1万円で会社をつくって・育てる法」という本で、現在8刷まで刷を重ねています。この本は、会社を作ったのはいいがその後どうしたらいいのか解らないとの読者からの苦情や、また経理も何もできない人が闇雲に会社を作って路頭に迷っている、井上さん貴方もこまった人だこんな本を書いてという税務署等からの苦情に基づいて企画したもので、会社の設立した後の届け出、社会保険や労働保険の手続き、日々の記帳の方法、元帳の作成や試算表作成、決算までの一連の流れや、金融機関からのお金の借かたに至るまで親切丁寧に書いてあります。また私が日本の簿記経理の方法(伝票会計)に疑問を持っている点があるのでその点を考慮してかなり新しい帳簿形態を提案してあります。

 次に新しい企画について今は忙しくて企画をなかなか出せないのですが、今予定しているのは、一つが、今までに私が勧めて合資会社を設立した人十数社あるや、インターネット上で私が接触を持った合資型ベンチャー数十社ある等の具体的な事例と成功例などをちりばめて合資型ベンチャーの方向性や活用例で一冊作ろうかと思っています。
 もう一つは、二冊目の本で帳簿の作成方法を今までの簿記の流れから少し離れた形で提案したのですが、一番簡潔な形に集約して、「資本金1万円で会社を作る法の著者が送るSOHO向け一番簡単な記帳と決算」ということで企画を上げて見ようかと思っています。