相模原グリーンロータリークラブ
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相模原グリーンロータリークラブ
第809回例会週報

2009-10週報目次
◆「職業奉仕月間に因んで」
平井 良和 会員

 ロータリーに入会させていただいてから、早14年に為りますが職業奉仕委員会には一度も所属した事が無く、いきなり委員長!しかも此のご時世。随分難しい時に・・・・
 職業奉仕はロータリーの金看板!!「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」 四つのテスト 職業奉仕に関する事はこの程度しか頭に浮かばない?

 今月のガバナー月信に地区の職業奉仕委員長高橋秀樹さん(秦野名水RC)が、職業奉仕について書かれており感銘と同意を持った人が沢山いたと思います。
<月信の抜粋>
 ロータリーとは「世界に200以上の国や地域で約32000のロータリークラブで120万人以上のロータリアンが活動し、非識字問題、疾病、飢餓、貧困、水不足、環境問題といった今日の課題についてプロジェクトに取り組むほか、職業で高い水準を保つことを推奨しています。」また綱領の第二項に「事業及び専門職務の道徳水準を高めること。あらゆる有用な業務は尊重されるべきであるという認識を深めること。そしてロータリアン各自が業務を通じて社会に奉仕するためにその業務を品位あらしめること。」これは職業奉仕のことで、ロータリー独自のものであり、他の奉仕団体と異なる大きな点です。
 職業奉仕がロータリーの根幹であり、ロータリーの金看板といわれる所以でしょう。・・・
 ・・・最後に 倫理の崩壊による不祥事や極めて利己的な理由による犯罪が溢れる今の時代にこそ、ロータリーの精神がそれを救えるのだと、信じます。・・・

 職業奉仕の発展について簡単にふれてみたいと思います。
 前述の「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」はアーサー・フレデリック・シェルドンの創作に成るもので、職業奉仕の根幹をなす標語です。月信での職業奉仕の理念は、シェルドンが提唱した、職業奉仕は科学的な企業経営方法であり、商業や事業は科学であり、経営学は「最もよく奉仕する者、最も多く報われる」に基づくサービス学である。すべて人は、事業場及び専門職務上で、最も多く最も良くサービスするための潜在能力を持っている。サービスの見返りは、必ずや、あなた方に持たされるのである。と述べております。職業奉仕をすることが結果として職業倫理の高揚につながるとあり、ロータリアン一人一人の成熟が求められていると思います。

 その後ハーバートJ・テーラーが職業人としてのロータリアンの心構えを、一般の職業人にも理解できるように、簡潔かつ的確にまとめたものが「四つのテスト」です。ロータリーソングでも,おなじみの日本語の訳文については、異論が多くあり、ロータリーの友でも他の解釈について読んだ方も多いかと思います。「四つのテスト」はハーバート・テーラーが、経営管理の指針として考えだしたものです。後にロータリアンの職業奉仕の指針にされ、広く活用されている事はご存知の通りです。ロータリアンにとって職業奉仕を実践するにあたりまず念頭に入れるべき事は倫理の向上であり、職業人としても、人としても四つのテストは基本的生活態度の指針であると思います。「四つのテスト」は、1989年に職業宣言が規定審議会で採択されるまで、唯一の指針でした。

 この職業宣言はロータリーの綱領・倫理宣言・道徳訓などの一連の思想の流れを確認し、ロータリーの綱領の「ロータリーの目的」についてさらに具体的にその実践の細目をあげて、改めてロータリーの倫理化の推進の目的を明確にしています。

 以上はロータリー情報マニュアルを参考にまとめたものです。多くは2680地区 田中毅PGによるもので、シェルドンの思想の流れ重視している?俗にシェルドン派と呼ばれている。
 それに対して天職派と呼ばれているのが、3580地区佐藤千壽PGでありロータリー運動の原点を禁欲的プロテスタンティズムの精神構造としシェルダンの「最もよく奉仕する者、最も多く報われる」という考えも禁欲的プロテスタンティズムの精神構造として潜在していたと考えている。
 2006年10月号のロータリーの友に「道徳と資本―ロータリー第3の波」と題して寄稿があります。覚えのある方も多いと思いますが、興味を持ちましたので、拾い読みをしてみたいと思います。

 資本市場の拡大変質より
 本来ロータリアンにとって職業はVocation=天職=だったはずです。・・・ところが現在の資本市場には祖父伝来のVocation=天職=など存在せず、そこに於いて経営者とは合法的金儲けの専門職ですから、ロータリーの理想とする職業奉仕が宙に浮いてしまった、というのが偽らざる現実の姿ではありませんか。
 ロータリーで言う職業奉仕という概念は禁欲的プロテスタンティズムの精神構造に他ならぬ、というのが私の持論で、それを最も鮮明にしているのが1915年の道徳律です。しかも注目すべきことは、16世紀初頭の宗教改革を支持し推し進めた信者たちが、何れも大資本企業家から抑圧されていた中小企業主・職人たちだった、という点です。
 ロータリー以前に「最もよく奉仕する者、最も多く報われる」という考えも額に汗して働く禁欲的プロテスタンティズムの精神構造として潜在していたのであって、それは自分たちの仕事を神から与えられた使命・天職=Vocation=と受け留る所から生まれるものです。
 そして後年生まれるロータリーに於いても、創立会員はもとより、それに続く会員たちも、すべて中小企業主にすぎません。だからロータリーの奉仕とは天職として神に愧じぬ行動をすることで、あくまでも会員個人個人の使命です。従ってロータリーは“I Serve”なのです。・・・・中略

 啓蒙思想としてのロータリーよりロータリーの職業奉仕観をなんとか広く市民大衆に浸透させる道がないでしょうか。・・・煎じつめればロータリーとは生活の姿勢を正す仕事ではないでしょうか。「四つのテスト」などまさに日常、毎日毎日の生活の姿勢です。だから今後ロータリーが組織として真剣に考えるべき問題は、単に職業人を対象としてではなく、広く市民啓蒙運動としての道です。・・・

 株式市場の動向が市民の日常生活に密着している現代資本主義社会では、ロータリークラブもこれと真正面から向き合った市民との対話が重要で、ここで株式投資の社会的責任を説くことができます。まさにロータリーに下された神の声たる天職=Vocation=としての市民教育活動です。それは見方によっては、「ロータリー教」とでも言うべきもので、既存宗教の真髄を煮詰めた普遍の的道徳教なのです。・・・
 ほんの一部を参照させて頂きましたが、職業奉仕の参考になればと思います。

最後にポールP・ハリスは
世界は常に変化している
ロータリーは、この世界と共に変化して成長していかねばならない
ロータリーの物語は幾度も書きかえられねばならない