相模原グリーンロータリークラブ
↑ トップページへ ↑

相模原グリーンロータリークラブ
第528回例会週報

527回 | 529回 | 2003-04週報目次
◆楽しい海外旅行を楽しむために
小方千津子 氏

 <小方千津子氏 プロフィール>
1951年 日本航空スチュワーデス一期生
1958年 オートクチュールモナ(服飾)開店
1963年 ビューティサロンモナ(美容)開店
1978年 上記2店舗は東京青山モナビルを伊藤忠商事に売却を機に閉店
1966年 ロシア料理とワインの店「ペチカ」開店
1982年 株式会社モナ企画(情報産業)設立

・日本盲導犬協会評議員
・日航スチュワーデスOG会十五周年記念
 「タンチョウ基金」設立
 タンチョウを守るため日本野鳥の会に入金して寄付を続けております。

 40数年にわたり数々のボランティアに関わってきました。これからは特に若い方たちのためにお役に立ちたいと思っております。


「楽しい海外旅行を楽しむために」

 昭和26年10月25日に民間航空が再開されました。1951年でございますから約52年前になります。その頃は「エアガール」と呼ばれておりました。その後「エアホステス」が約2年、そして「エアスチュワーデス」になり、現在は「エアアテンダント」になりました。

 一期生は15名採用され昭和26年8月に入社いたしましたが、10月には14名になりました。年齢は20才以上、身長150cm以上・体重52kg以内、視力1.0以上で、パイロットはアメリカ人でしたので、英会話のテストもありました。
日本人パイロットによる自主運航はそれから約2年後でした。

 2ヶ月間の訓練はノースウェストの女性教官から教わり、慈恵医大で怪我の手当を、ライトホテル(現在のパレスホテル)でサービスの練習をさせていただきました。

 その頃欧米の国際線では看護婦の資格が必要でした。そして2ヶ月間に空翔ぶ天女に変身いたしましたが、定年は30才で結婚したら退職することになっておりました。
現在は60才まででございます。

入社年次によって
・神話の一桁    ・化石のふた桁
・美貌の100期   ・知性の200期
・体力の300期(→ジャンボ機になりました)
・向こう横町の400期(→誰でも乗れました)
・新人類の500期  ・エイリアンの600期
・ETの700期
と言われております。

 平成元年から賛否両論でしたが、期がなくなりました。理由はジャンボ時代になり一度に100名入社し20名で分けられ5期になりますので、上下関係が出来るのは良くないとのことでした。

 当時は大阪3便、福岡1便で飛行機はマーティン202・38席で、9日遅れて札幌1便、DC4・60席でした。運賃は大阪まで6,000円、日航の大卒男性の初任給が4,000円でしたから、片道約25万円になりますが、特急つばめが約8時間かかりましたから、1時間40分なら日帰りが出来ますので価値があったと思われます。大阪-福岡は1時間35分で5,520円でした。東京-福岡は11,520円、約50万円になります。羽田ー小牧ー伊丹ー岩国ー福岡を一日で往復しました。毎日乗客名簿が新聞に載りました。乗客には耳栓をお配りしました。
 低空飛行でしたので富士山麓が美しくてパイロットがアナウンスすると片側の窓に皆様が寄るので飛行機が傾く感じがしました。

<テロ・ハイジャックに対しての注意>
 テロ・ハイジャックに対しての注意をお話いたします。チェックインする時はカウンターから早く離れる方が安全です。電話ボックス、ゴミ箱など爆発物が仕掛けられそうな物から出来るだけ離れて待っていてください。この間荷物を置いたまま飲み物を買いに行っていると持ち主不明で爆破されてしまうことがあります。
 会社や団体(ロータリークラブなど)の記章を付けると身分が判りますし、会社名の印刷されている名刺・便せん・封筒なども手荷物の中に入れて預けましょう。
 服装は普通の目立たないのを着用し、高価な時計、アクセサリーも付けないことです。
 トラベラーズチェックは書き慣れた漢字で少しくずしてサインをすると真似されません。
 現金は小分けにして2,3個の財布に入れて持つと命乞いのお金になり、命を失うことにならないと思います。
 クレジットカードは2枚持っていないとレンタカーを借りられませんし、救急車に乗せてもらえないことがあるそうです。
 機内では通路側の席をとると、事故やハイジャックされて逃げるのに都合が良いです。 
 乗り物酔いをする方は医師にご相談なさって薬を用意するか、スチュワーデスから薬を買ってください。睡眠を十分とり、リラックスし航空機と同じ動きをすると良いでしょう。

 入国審査イミグレーションでは「YES」と「NO」はいいかげんに言わないでください。「JALに乗ったことがあるか?」と聞かれたと思い、「YES」と答えたら大変なことになった方がいらっしゃいました。実は「JAIL」(刑務所)だったのです。くれぐれも気を付けてください。
 外国の空港で募金箱にお金を入れたり、本・キーホルダーを売りつけられても決して手を出さないこと、まくしたてられて高額なものになります。日本人は標的にされています。

 トランクは取り違えられないように目立つ物を付けておきます。名前を外側にローマ字で書くと犯罪に巻き込まれる恐れがあります。取り違えられた時のために中に英文・和文で住所・氏名・TEL・FAXを書いて数枚入れておきましょう。布製は切られます。
 空港のタクシー乗り場で待っても白タクには乗らないこと、夜の地下鉄も危ないですし、昼間でもホームの中程で待ち、プラットホームの前の方には立たない方が安全です。
 到着が遅れたら空港から電話をすること、しないと部屋が無いことがあります。
ホテルは必ず予約しておくと安心です。
 チェックイン時、荷物に気を付けること、一流のホテルでも盗られることがあります。停電して一瞬の間にハンドバッグを盗られました。部屋に通されたら、鍵・ドア・水・シャワーをチェックしてから、ベルボーイにチップを渡し荷物をほどくこと、もし不都合があれば同額の部屋と取り替えてもらうこと、新聞、メールなどは相手を確認した上でチェーンを掛けたまま投げ入れてもらうように、間違っても手を出さないことです。

 留学生についても十分な注意が必要です。日本人留学生はお客様扱いされないことに不満を持ち、外国人留学生は家族扱いされないことでホームシックになります。
ホームステイ先の家族をしっかり調べる必要があります。ただのベビーシッター扱いはお金目当てにされることがありますので、注意してください。

 麻薬には特別に注意する必要があります。パーティで飲み物を取る時は必ず中をチェックして白い粉など入っていないか見ます。一度手を放してテーブルの上に置いた飲み物は絶対に2度と持たないこと、麻薬が入れられている可能性があります。欧米では30年以上も前から幼稚園で麻薬の恐ろしさを教えています。宇宙センターでバスのドライバーに子どもが「どうしたら宇宙飛行士になれるの?」と聞いたら、「麻薬をやらなければな。」と答えたそうです。アメリカはテロやミサイルではなくドラッグで滅びるだろうと言われているそうです。日本でも私の知る限り30年ほど前から大学のキャンパスに麻薬の売人が出入りしているとのことでした。神奈川県教育委員会がアンケートを取ったところ、小学生が0.9%、中学生が2.5%、高校生が9.5%、麻薬を使った経験があるとの結果が出ました。恐ろしいことです。

 それと性が開放されています。男子学生はホモにされてしまい、女子学生はアメリカ人のレディー・ファースト扱いに慣れていないので、愛されていると勘違いして思わぬトラブルになることもあるようです。外国に留学する場合は是非「空手」を身を守るため習ってください。「カラテ!!」と叫んで身構えれば、空手は知っていますから、
難を逃れられるでしょう。

 小さな子どもはジプシーが長いスカートの中に入れて攫っていくそうです。お買い物に夢中になって目を離したすきを攫われるようです。
 女性も洋服の試着室の底が抜けたり、地下の試着室から消えてしまい、同伴の方が言っても知らぬ存ぜぬで埒があかないそうです。日本人は若く見えますから中年の女性も注意が必要です。同伴者は試着室の前で少し戸やカーテンを開けて見張っていてください。日本女性は高く売れるので攫われています。

 ここまで「人を見たら泥棒と思え」という感じでお話してまいりましたが、そんな人はごくごく僅かです。この地球上には62億4千万人余りの人々が住んでいます。
 ご夫婦はお互いにその中からたった一人を選んだのですから「運命的な出会い」と言うべきです。人は「会いたい人がいて、したいことがある。」のが幸せなので、心に国境はありませんから、外国で出会った方々をお訪ねになるときは、是非とも日本航空をご利用くださいますよう、お願い申し上げます。ご静聴ありがとうございました。


今井尚子会長夫人と共に