相模原グリーンロータリークラブ
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相模原グリーンロータリークラブ
第502回例会週報

501回 | 503回 | 2002-03週報目次
◆クラブフォーラム 〜ポリオにおいて〜

「いまなぜポリオワクチンが必要なのでしょうか」
 1998年、世界保健機関(WHO)は、世界の保健総会で、西暦2000年までに、世界から強毒ポリオウイルスによる麻痺患者を「ゼロ」にしようという決議案を採択し、世界でワクチン接種強化活動を展開中です。ポリオ麻痺患者が1名出ることは、症状が出ないままで感染しているヒト(不顕性感染)が100?1000人いるといわれ、ポリオ患者根絶のためには全世界の協力が必要だからです。

「世界のポリオ」
 歴史上、ポリオと考えられる最初の記録は、紀元前1580?1350年頃、エジプト第18王朝にさかのぼります。この時代の石碑に右脚が委縮し、つま先のみをつけた尖足位の若い僧の像が刻まれていて、これがポリオによる麻痺例と推定されています。このことは、ポリオウイルスが人類の永い歴史とともに存在していることを意味しています。今世紀に入ってポリオは、スウェーデンで1905年1,000人以上、アメリカで1916年27,000人以上の麻痺患者が報告されるなど、多くの国々で大流行を起こしました。現在では、ワクチンの普及で患者が激減したとはいえ、今なおインド亜大陸やアフリカで流行しています。

 人類のポリオとの戦い、それはとりもなおさずワクチン開発の歴史であります。その歴史を表にまとめました。ワクチンとして最初に認められたのは、Dr.Salkが開発した不活化ポリオワクチン Inactivated Poliovirus Vaccine(IPV:ソークワクチン)で、1955年のことでした。同じ頃、Dr.Sabinによって開発が進められていた弱毒生ポリオワクチンOral Poliovirus Vaccine(OPV:セービンワクチン)は、ワクチンウイルスの毒力復帰が心配されてアメリカでは認可が遅れ、むしろソ連を中心とした東欧で実用化されました。

 その後、経口生ポリオワクチンは腸管に免疫を賦与して、強固な免疫をつけること、ワクチンのコストが不活化ポリオワクチンに比べて安いこと、経口接種のため特別な技術や注射器がいらないことなどの利点が認められ、わが国をも含め多くの国々で受け入れられることになりました。以来、経口生ポリオワクチンの劇的な効果で、先進国では1970年代に強毒野生株の排除に成功しました。それに比べ、熱帯地域の途上国では期待した程の効果が上げられず、ワクチンの管理の問題や種々の疫学的な原因が研究されましたが、1962年からのキューバや、1980年からのブラジルで開始された年2回特定の日に、5歳以下の乳幼児一斉接種(National Immunization Days:NIDs)が非常に効果があることが立証され、世界保健機関(WHO)は、流行国に対し広くNIDsを進め現在に至っています。

 他方、先進国でも世界的な野生強毒ポリオウイルスを根絶するまで経口生ポリオワクチンを続ける必要がありますが、ポリオ患者がいない国では、200万?300万人接種で1例程度起きるワクチン関連麻痺の発生が、ワクチン被接種者側の大きな矛盾となって目立ち始めました。このワクチン関連麻痺は、ワクチン被接種者側の免疫異常など何らかの要因もありますが、接触者にも麻痺患者が出ることがあり、弱毒ポリオウイルスの毒力復帰に帰因すると考えられています。現在の技術では、毒力復帰のない生ワクチンの開発は、非常に困難であることも明らかとなっています。従って先進諸国の多くは、過去のソークワクチンより効力の高い不活化ポリオワクチンをポリオ制圧政策に組み込む方向にあり、当研究所も不活ポリオワクチンの実用化を目指して準備を進めています。

『(財)日本ポリオ研究所』

「ポリオ(小児マヒ)ってどんな病気?」
 ポリオとは、ポリオウイルスによる感染症で、このウイルスは特にヒトの運動神経組織を侵します。感染力は強いのですが、感染しても発病しない状態で終わる(不顕性感染)場合も多い病気です。しかし、発病した場合は高い確率で、死亡あるいは運動神経マヒの後遺症を残します。

 感染経路は経口感染で、ウイルスが口から感染した後、腸内で増殖して発病に至ります。

 また、感染者の排泄した便を介して、周囲に感染を広めます。

 主な感染予防方法としては、
1)手洗い・下水の整備などの衛生環境を向上させ、この口からの感染経路を絶つこと。
2)ワクチン投与によってあらかじめ免疫力をつけて、感染しても発病しないようにしておくこと。の2つです。

 ポリオに感染し発病した場合の特徴的な症状は、「急激におこる、脱力性の、四股マヒ(重度の場合は呼吸筋マヒ)」で、ポリオかどうかの最も確実な診断は、便にポリオウイルスがいるかどうかの検査によって判明します。

『世界の子どもにワクチンを 日本委員会』

ポリオ撲滅キャンペーンについて
フォーラム財団委員会 永井完侍会員

 ポリオは日本名では急性灰白髄炎と呼ばれ(小児マヒとは俗名)現在でも、アフリカ、南アジアの国々では主要な病気です。財団では長年これらの国に対してポリオ生ワクチンの供給を支援してきていますが、ワクチンの保存・輸送には、ワクチン製造以上の費用がかかるといわれています。

◆増強について
重点委員長 今井会員

 当クラブの現況としては、今年度のスタートは49名で目標を55名としましたが、柏木さん関永さん中村さん西迫さんの4人の新しい仲間が増えました。しかし、小塚さんと薗さんが残念ながら退会されましたので2名増の51名となっています。

 2780地区(69クラブ)全体では40名(2月現在)の減少、第5分区でも増加は当クラブのみです。創立は32名でのスタートで平均すると毎年5名の入会と3名の退会になっています。退会の原因については仕事上の問題(転勤・職業不振)や健康上の問題がほとんどであり、クラブ自体の問題で退会された方は少ないと思います。

 当クラブはスタート時点より親クラブの相模原ロータリー、特に拡大補佐を中心とした良き指導があった事と財団奨学生や米山奨学生、交換留学生、宇宙少年団、社会奉仕など活発な奉仕活動と派閥のない自由な雰囲気が大きな魅力になっていると思います。

 ただ、どうしても毎年退会される会員が3名程度ある事は考えなければならない訳でその為にも単年度で考えるのではなく、数年先を見据えた増強を考え、継続的な取り組みが不可欠と思います。

 その増強推進方法は、情報集会単位で進める。4つの地区に分けて各地区毎に候補者をリストアップし、入会を推進して行くでスタートしました。

 今年度初め7月12日の増強フォーラムでは29名の候補者が報告された。(従来のノミネイトリストに重複している方々も含まれている)

 その候補者の内、関永さん、中村さん、西迫さんが入会されたその結果、現在会員数49+4名?2名=51名(純増2名)です。柏木さんにつきましてはこの時点で入会済みです。